2011年8月8日月曜日

中山間地にヤギいかが -ヤギ研修会参加報告-

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いま、中山間地域でのヤギの活用が注目されています。
ヤギは法面・耕作放棄地の草刈作業軽減や野生動物対策のほか、ヤギを介した都市住民や子どもたちとの交流促進にも役立ちます。

ヤギは、その足裏の特殊なひずめによって急斜面を容易に歩行します。というよりそういうところを好んで生息する動物なのです。国内でも急峻な中山間地が多い地域といえるここ富山県では、7ヶ所で飼育され、その効果に関心が高まっています。それを受けて8月2日、「ヤギの飼育・管理とヤギ乳利用の研修会」が魚津市の小菅沼(こすがぬま)集落で行われたので参加してきました。

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会場となった「小菅沼・ヤギの杜」では、県内の野生動物対策「カウベルト事業」において、当地があまりに急峻な棚田法面のため牛の代わりにヤギを導入したのを機に、現在では20頭を飼育しているそうです。行ってみると、あちらこちらにふつうにヤギがいて、雑草をもしゃもしゃ食べているのに驚かされました。

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棚田の法面管理は一般に刈払機などの機械を用いますが、足元に危険を伴う作業で、中山間地では大きな課題の一つとなっています。ヤギの場合、誘導ワイヤーを這わせておくだけで、その一帯の雑草をきれいに食べてくれます(舌刈除草というそうです)。機械除草では土壌地盤が露出しやすく、雑草(外来種)が再び侵入しやすい一方、舌刈除草だと在来の野草種主体の草地への移行・安定化も期待できるそうです。

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(研修会配布資料より抜粋)

ヤギの糞は無臭で、しかも均一に撒かれるので法面への施肥効果もあります。ヤギ自身の体臭も発情期のオス以外はほとんどなく、他の家畜に比べても温順で人への親近感があり、おまけに好奇心旺盛で学習能力まであります。

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(研修会配布資料より抜粋)

とはいっても飼育が簡単なわけではありません。健康管理には常に配慮が必要ですし(口蹄疫など)早熟のため繁殖管理も重要です。特に好奇心から脱走することが多く、それが鳥獣害となるおそれもあります。また、ヤギの移動にはそれなりの力が必要で、高齢者だけの集落でヤギを管理するのは難しいという話もありました。

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ヤギの産業動物としての活用方法には、他にヤギ乳製品や乳加工品の販売がありますが、搾乳目的での飼育はヤギ舎と栄養(給餌)管理が必要となります。ブラッシングや除糞などの手間もかかり、こと搾乳は毎日行う必要があるので個人で行うのは難しいようです。

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またお客さんにふれあい体験をしてもらう場合は、動物愛護管理法により、有料・無料を問わず「動物取扱責任者」を常駐させなくてはならないらしく、なかなかいろいろ難しいようです。

とはいえレンタルヤギの活用も少しずつ拡がっているらしく、今後日本の山あいにヤギのいる風景が増えていくと楽しいですね。
(※ちなみに途上国では増加傾向にあるとか(主に肉食目的))
より詳しく知りたい方はこちら:全国山羊ネットワーク

P.S.
ヤギ研修会の様子は地元新聞紙でも取り上げられました。(クリックで拡大)
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